TFO3の作品紹介と作成について

晴耕雨読部というディーラー名でガレージキットを作っている小凪と申します。

今回トレジャーフェスタオンライン3(TFO3)に参加するにあたってTFO1に引き続き、推しであるホロライブの天音かなたさんのガレージキット『SDかなたん』を制作しました。SDキャラも可動モノも初めてでしたが、自分的には結構満足な出来になったと思います!

今まではやったことがなかったのですが、SDかなたんは少し書きたいことが多いのでブログ記事という形でまとめておきたいと思います。

 

『SDかなたん』紹介と注意事項

まず、SDかなたんはこちら

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SDかなたんのキット詳細は以下の通りです。

・未塗装未組立ガレージキット

・別売りのホビーベース球体ジョイント使用による一部可動

  (ホビーベース 関節技 球体ジョイントリンク ライトフレッシュ)

  (ホビーベース 関節技 球体ジョイントミニ ライトフレッシュ)

・価格:10000円(TFO販売では+手数料諸々)

・全高:約120㎜

・パーツ数:24(内 顔パーツ3・袖パーツ5・手パーツ6)

 

【パーツ画像】

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ごらんの通り、SDかなたんは自分で削ってヤスって塗装するキットとなっております。予定では、カラーレジンキャストで複製しようと思っていたのですが、レジンキャストとトナーの相性が悪いのか複製品の品質を安定させるのが困難だったので、ホワイトキャストに変更しました。カラーキャストは気泡埋めなどの処理が大変なのが懸念事項だったので、結果的にはまあこれでよかったのかなと思います。

 

 

『SDかなたん』の制作について

SDかなたんはできるだけガレキを作ったことがないへい民でも作れるようになるべく意識して制作してみたのですが、やはり未経験の人には戸惑うことの多いであろうガレージキット制作ですので、ざっくりとまとめておきたいと思います。

ガレージキットの制作というのは各工程において本当に人それぞれのやり方があるものでして、今回は僕のやり方、完成見本をつくったやり方をご紹介します。

本当にざっくりとした説明になるので基本的なことは必要に応じて調べてみてください。

 なお、ガレージキット作ったことないって方はここらへんのサイトを目を通しておくと理解が進むと思います。

 

・YZPハウスさん(下の方の記事)

https://yzphouse.com/category/figure-make/

・MASKED MODELERさん(特に仮組みの動画とか)

製作代行 MASKED MODELER - YouTube

 

※もったいないので一部試作したカラーレジンキャストを使って説明しているので、写真に写っているパーツに色がついてても気にしないでください。

 

まず、SDかなたんの制作手順は以下の通りになります。

1.パーツチェック

2.湯口やバリの処理

3.パーツ洗浄

4.表面処理&仮組み

5.塗装

6.仕上げ

 

順番に解説していきたいと思います。

1.パーツチェック

キットが最初に届いたらすぐに作らないとしても、最初に同封されているパーツリストをもとにパーツが揃っているかのチェックをお願いします。うちでは不足パーツ請求に一応4週間は期間を設けますが、何か月も経ってからパーツ請求されても型を廃棄してたりするもので…

これはガレキ購入の共通ルールみたいなものなので、どうかよろしくお願いします。

 

2.湯口やバリの処理

パーツ洗浄するのに邪魔な湯口やバリをニッパーやカッターで切り取ったり、やすりがけをしたりしてざっくり処理します。

前髪パーツでいうとこんな感じです。

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同じように全部のパーツを処理していきます。

 

3.パーツ洗浄

パーツに付いた離型剤を落とします。

個人的には使い古しの歯ブラシでも使ってクリームクレンザーでごしごしするだけで充分だと思ってます。

 

4.表面処理&仮組み

パーツを洗って乾燥させたら本格的にやすりがけをします。欠けやへこみなどはシアノンなどで埋めて自分の納得できるレベルまで磨けたら、パーツの合わせが大丈夫か確認しつつ必要な軸を打っていきます。SDかなたんは別売りの可動ジョイントを使うので、ジョイントを差し込むための穴も開けていきます。

大きな穴を開けるときは細いピンバイスから段々太くして穴を開けていくとやりやすいです。

各パーツ別の説明は以下の通り

 

・髪

軸を打つ…前に、髪パーツと顔パーツを組み合わせてみたらちょっと歪んでたので、お湯で煮て柔らかくしてからパーツを組んで押し合わせて歪みをとりました。火傷注意です。

ガイドの凹みに合わせて軸を打ちます。

手裏剣を付ける用に好みの場所に1㎜の穴を開けておきます。

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・顔

ガイドの凹みに合わせて軸を打ちます。

首側は2.9㎜のピンバイスでジョイントが差し込める深さで穴を開けます。

 

・服

顔側はガイド凹みに合わせてピンバイスで5㎜の穴を開けます。キットに付属しているジョイントキャッチャーをあとで差し込むのですが、深く差し込むと服パーツと髪パーツが干渉しやすくなるので、ジョイントキャッチャーの頭が数ミリ出るくらいの深さにします。

袖側も今ある凹みから更に6㎜程の深さで5㎜の穴を開けます。

また、羽を付ける用に肩甲骨あたりに1㎜の穴だけ開けておきます。

 

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・袖

差し込み部分の真ん中に2.9㎜の穴を反対側に貫通しない程度の深さで開けます。ジョイントのランナーを少し切り出して5㎜球をはめ、開けた穴に差し込み接着させます。

腕側はガイドの凹みに合わせて2.9㎜の穴を開けます。

 

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・パンツ

腰側のダボのガイドの凹みに合わせて2㎜の軸を打ちます。

そして足ジョイント用の穴なのですが少しトリッキーになります。

足側のガイド凹みから腰側のガイド凹みに向かって2.9㎜の穴を貫通させます。

できる人は空間把握能力的なものやら手先の感覚やらで一発で開けるんですが、自信のない人は1㎜のピンバイスで太もものガイド凹みから腰側のガイド凹みに向かって半分くらい開けて、次に腰側のガイド凹みから太もものガイド凹みに向かって半分くらい開けます。そのあとに2㎜のピンバイスで多少軌道修正しながら同じように穴を開けていって、最終的に2.9㎜のピンバイスで穴を貫通させると多少マシかもしれません。

ランナーを8㎜くらいに切り出して5㎜球を接着剤をつけてはめ、画像のようにします。

 

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・足

ジョイント用に2.9㎜の穴を開けておきます。

 

・羽

ガイドの凹みに合わせて貫通しないように気を付けながら1㎜の穴を開けます。

最終的に真鍮線をさして背中にくっつけます。

 

・手裏剣

ガイドの凹みに合わせて貫通しないように気を付けながら1㎜の穴を開けます。

最終的に真鍮線をさして頭にくっつけます。

 

全部のパーツを磨いて軸打ちしたら、仮に組んでみて問題ないか確認します。大丈夫そうならパーツを軽く洗ってサーフェイサーを吹いて塗装に進みます。発色の問題があるのでサーフェイサーは白がおすすめ。(サーフェイサーを吹くと見逃してた傷や気泡が見つかったりするので、気になる場合は修正してサーフェイサーを吹きなおします。)

 

5.塗装

エアブラシが使える人はエアブラシで。ない人はガイアのイージーペインター推奨です。

今回は完成見本もあえてイージーペインターで塗装してみました。

塗料の希釈については具体的な数字が出せないので、ググったり実際に吹いてみて調整してください。(よく言われるのは牛乳くらいの濃度ですかね)

 

実際に吹いていきます。

コツは一気に色を乗せようとしないで、薄吹きで乾燥させながら何回かに分けて塗っていくことです。

 

以下、使用した塗料です。

・髪

ガイア〈ニュートラルグレーⅠ〉+微量のタミヤ〈コバルトブルー〉

・肌

ガイア〈ノーツフレッシュ〉+ガイア〈ノーツフレッシュピンク〉 1:1くらい

・服

ガイア〈ピュアホワイト〉+ガイア〈ウルトラブルー〉 ピュアホワイトにウルトラブルーを足していき、好みの水色になるよう調整

・手裏剣、羽金具

ガイア〈ブライトゴールド〉

・羽

ガイア〈ピュアホワイト〉→ガイア〈クリアー〉+ガイア〈ウルトラブルー〉 白を塗った上にクリアーにウルトラブルーを少量混ぜたものを羽の先っぽにふんわり吹く

 

また、顔の目の部分は白く塗っておきます。

 

6.仕上げ

髪のメッシュ部分、眉毛や口、チーク線などをエナメル塗料で自由に筆塗りしていきます。(多少はみ出してもエナメル溶剤でぬぐえます。)

最後にキット付属の水転写デカールを目や服にMr.マークセッターなどを使って貼ります。

全部終わったら艶消しクリアーを全部のパーツに吹いてジョイントをつけたら完成です。(艶消し後にパステルでチークを塗るのもおすすめです。)

 

なお、自立は難しいので別途スタンドが必要です。完成見本ではねんどろいどどーるイーゼルを使用しています。

 

説明は以上となります。

作り方とか分からないことがあれば気軽に聞いてくれてかまいませんので、よかったらチャレンジしてみてください!

質問はTwitterか、たぶん確認すると思うのでこちらの記事のコメントまで

 

あとTFO3では慣れた人向きですが、スケールのかなたんガレージキットも販売しますのでよろしくお願いします!

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それではよろしくお願いします~!